動物愛護管理法の改正案、数値規制への意見 7/25我が家の状況についての追記あり

7/25追記あり

今環境省で話し合われている改正案について、思うところを書いてみました。もっと細かく読んでいくと他にも納得できない点がありますが、大きな問題点についてお話ししたいと思います。

資料
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/tekisei/h29_06.html

猫のケージの高さを例えば一律120センチ以上などの規制を設けた場合、出産する母猫が子猫をぶら下げたまま段差を登って子猫に悪影響が出たり、歩くようになったばかりの子猫が登って落ち死んだりする可能性があります。また闘病中の猫や足腰弱った猫にはそれぞれ状況に合わせたケージの形状が求められます。全て一律で良いのでしょうか?それは本当に動物のことを思っていることになるのでしょうか?

猫は集団生活をせず個別で生活する動物ですが、改正案では猫の動物学的検知から考察されておらず、人間の望む猫の生活を押し付けているだけに思えます。猫、猫種によっては集団生活が苦手なことがあるということを分かっていただきたいです。ケージ飼育でも人間との接触、適切な管理と清掃、猫の状況に対して適切なケージがあれば問題なく暮らせます。また人間が明確に猫に運動と休息を「させる」ことができないことははっきりしています。
CFAにはこの改正案よりもっと現実的で実現可能なキャッテリースタンダード(キャッテリーにおける最小の基準)が規定されており、参考にしていただきたいです。猫をケージで飼育する場合の最小容積なども規定されていて、我が家はこの規定を守っています。
https://cfa.org/cattery-standards/
また上記の内容は土地家屋が広いアメリカの基準であるということを踏まえ、日本では色々な形状のケージを利用されている方がいることを前提に、実現が可能な改正がされることを望みます。

改正案では猫のいる場所は夜は電気をつけたらいけないことになっていますが、私たちは動物取扱業ではあるものの非営利であり、猫は家族で一緒に暮らしているので現実的に難しいです。
また発情期のコントロールは年に3回も4回も産ませる目的でなければ構わないと思いますし、筒井先生を含め専門家もそんなことは書かれていません。
日照時間を増やしてシーズンを誘発することができるなら、反対にシーズンが過剰な子の日照時間を短くして軽減するのも可能な訳で、適切な目的に利用することができます。

繁殖年齢制限については猫種犬種によって適切な年齢が変わってくるのでもう少し大らかに対応されたら良いかと思います。使い捨てをするキツンミルならともかく、猫種を愛してブリーディングしている人たちは猫を家族として捉えています。
私が育てている猫種は女の子の上限が6〜7歳でも現状と変わらないので構いませんが、3歳くらいで大人として完成するという猫種もいると他のブリーダーから聞きました。早熟な動物と晩熟な動物の年齢制限を一緒くたに考えていただきたくないです。

猫の飼育数については我が家は全く問題がありません。しかしながら急激な数値規制は不幸な動物を増やすことになるでしょう。事業所の衛生状態や猫の健康状態が劣悪なら構わないと思いますが、数の制限だけを理由に猫を取り上げるのは法律的に問題があります(財産の保障)。長い年数をかけ緩やかな規制にするべきです。またそれはブリーダーだけでなく一般の飼育者など全ての人に守らせるべきです。
動物の数の規制は、それがもし守られるなら飼育されている猫の生活の質を上げる若干の可能性がありますが、そこからあぶれた不幸な猫たちが出てしまう可能性を忘れてはいけないと思います。動物の数が減っても劣悪な環境で飼育する人が環境を良くするとは思えません。

一部の人たちが求めるような極端な繁殖回数(3回、3歳までなどの根拠のないもの)、制限は優良ブリーダーを減らすだけです。
このような数値基準を守るのは育種をする一部の優良ブリーダーであり、問題があるブリーダーではありません。結果として数値規制で悪質なブリーダーを取り締まることはできません。守らせることのできない数値規制は無意味です。このような数値規制より、ペットショップなどの展示販売を少なくしていくことが悪質なブリーダーを減らすことにつながると思います。

7/25追記*********
悪質な業者だと誤解されることがないようにうちのキャッテリーの状況と事実や考え方を追記します。

・猫の数について
我が家は私と夫の二人で猫15匹の世話をしています。しかしながら6匹は引退猫で老齢であり、現役の猫は男の子2匹、女の子4匹です。あとの3匹は今年引退、または直近で引退を予定する猫で、これから飼い主さんを募集する予定です。

・繁殖年齢、回数について
女の子は6歳までに引退させています。1995年にブリーディングをスタートしてから今までに7歳を超えて子猫を産ませたことはありませんが、8歳でも立派に出産ができ健康的な女の子が実際にいることを知っています。
ロシアンブルーの適正繁殖開始時期は猫によっても違いますが1歳前後から1歳半です。
回数に関しては最終的に2年に3回程度を目安にブリーディングし、猫が若い時はホルモンバランスに配慮して間隔を長く取らないこともありますが、加齢するに従って間隔を開けています(猫はたくさんのシーズンを飛ばすことによってホルモンバランスを崩し、不妊になったり子宮蓄膿症に罹ることがあります)。
猫の生涯で8回以上のお産をさせたことはありません。7回も一番最初の樹里だけです。従って我が家に関しては生涯出産回数は6回で十分ですが、他の真面目なブリーダーさんから別の意見があるかも知れません。

・帝王切開について
業者の中には自分で帝王切開を行うことがあるということを聞きましたが、そもそもそれは動物虐待ではないでしょうか?そんなこと考えたこともありませんし、自分の家族が大切なので獣医師にお願いする以外の選択肢は考えつきません。
ロシアンブルーは比較的安産の猫種で、帝王切開はあまり多くありません。ですので我が家では難産を理由に帝王切開を二度行った場合には避妊手術をして引退させます。お産に向かない猫に出産をさせるのは猫にとって良くないことですし、猫を愛しているとは言えないからです。しかしながら、1回で引退させるというのは引退させるに十分な根拠がないのでどうかと思います。また全ての帝王切開でひどく癒着が起こるという根拠のない主張については否定いたします。専門家のヒアリングをお読みください。

・引退猫について
6歳までに引退した猫については生涯大切にして下さる方に譲渡しています。7歳以降に引退した猫、または譲渡が難しい猫については我が家で家族として暮らしています。

・子猫の譲渡について
全ての方に我が家に来ていただいて、実際の子育ての環境を見ていただいてから譲渡しています。子猫の譲渡時には飼い主さんのお家を訪問し、子猫に危険がないかどうか確認をしています。
ペットショップなどの展示販売に加担したことは一度もありません。

・ケージについて
我が家のケージは全てアメリカのCD&Eから輸入した容積の大きなものです。
男の子の生活スペースは規制案よりさらにずっと大きいウォークイン(部屋を仕切った場所)もしくは大きなケージです。
女の子は男の子と同様にウォークイン、大きなケージ、もしくは女の子部屋(個室ケージスペース有り)で運動ができます。出産子育て中はW131cm・D77cm・H91cmもしくはW200cm・D77cm・H91cmにケージを仕切って使っていますが、これ以上高くなると前述した子猫の死亡事故や怪我が起こりやすくなるので避けたいです。かと言って出産子育て中の子を広い場所に出すのは子猫を引きずって移動する原因になり、事故のリスクが上がります。91cmはロシアンブルーの女の子の体高の3倍に当たりますが、4倍ではありません。従って妊娠子育て中や老齢・闘病中の猫に高さのあるケージを使わなければならない数値規制に反対します。

・数値規制へのスタンス、取り巻く方々へ
世の中の方々はブリーダーを悪だと考えておられるようです。動物のためになる適切な数値規制なら構いませんが、一般のブリーディングをしたことのない方がブリーダー憎しで考えるさらに極端な数値を達成しようとされることを思うと、数値規制が意義があるものになるとは思えません。数値は適正の範囲を飛び越えて、種の保存、育種が難しい規制へと繋がっていくように感じます。そしてその数値は一般の飼い主に課されることはありません。多頭飼育崩壊はブリーダーだけで起きている現象ではないのにも関わらず、何故一般の飼い主には義務がないのでしょうか?
またブリーダーを全て悪だと信じている方々は、実際にどのように私たちが動物と暮らしているかを見ようともしません。
何故繁殖回数を3回と主張するのか、何故ケージは一律に高さ180cmなのか、何故帝王切開が1回までなのか(人間はそうではないにも関わらず)、何故男の子は3歳で引退しなければならないのかの納得できる説明がありません。
我が家の猫たちは不幸ではありません。毎日の適切な清掃(いつ訪問されても問題ありません)、グルーミング、高品質なフード、適切な医療を受けています。それなのにそれが(言っている人は見てもいないのに)絶対に不幸だからと制限されるということなのですか?
私は営利目的ではなく、年に数百万円の持ち出しでブリーディングをしています。しかしながら国から「業」であることを求められていますので、きちんと帳簿をつけ確定申告もしています。ロシアンブルーが好きで人生をかけて育種しています。我が家のロシアンブルー達を愛して大切にしています。3回や3歳などのどの国にも存在しない聞いたこともない数値規制になったら、思うような育種ができなくなります。3歳で猫が引退したら血統が保てなくなるのです。
猫を滅ぼしたいのですか?そんなに動物が憎いですか?猫が良い環境で適切な世話とフォローの元に子供を産むことは不幸なのでしょうか?
極端な規制を望む人が夢見る世界には、私のようなブリーダーは存在しない世界になるでしょうね。

CFAイヤーブック2020、アリアンの記念広告



来年に発行されるCFAの年鑑に掲載するアリアンのブリードウイナー記念広告を作りました。昨年のルーンのものに比べてシンプルですが、シャナンのお写真がとても良いので、この方が引き立つかなと思いました。

ちなみに昨年ルーンたちが掲載されたイヤーブックはこちらになります。このページだけだと魔法書みたいになっていてちょっと面白かったです。

CFAロシアンブルー世界一達成!

CFA GC, RW, BWR SNOW-ISLAND ARIANRHOD
誕生日:2018年3月3日 女の子
パパ:CFA GC, RW SNOW-ISLAND PLATINO
ママ:CFA GC WYNTERWYND MELODY OF SNOW-ISLAND, DM

2018-2019 CFA BEST RUSSIAN BLUE, REGIONS
2018-2019 CFA JAPAN REGION 4TH BEST CAT
201802019 CFA JAPAN REGION 13TH BEST KITTEN

アリアンがCFAの年間アワードで、ブリードウイナー(ロシアンブルーの1位・アメリカ・カナダ・ヨーロッパ・日本の地域)を受賞しました。昨年に引き続き、SNOW-ISLANDの猫がCFAのロシアンブルーの中で1位になりとても嬉しいです。またジャパンリジョンのリジョナルウイナーを子猫と大人の2つのクラスで獲得することができました。
過去に日本でショーに出たロシアンブルーがブリードウイナーを獲得したことはありませんでしたが、目標が叶いました。応援してくださったブリーダーさんたち、家族、お友達、飼い主さんたち、キャットショーの関係者の方々にお礼を申し上げます。
アリアンは子猫のクラスで既にリジョナルウイナーに手が届くポイントを獲得していたので、大人のクラスでグランドチャンピオンを達成してからは、いつもショーのたびに引退させようかと思い悩んでいました。ですがショーに行くたびに素晴らしい成績を取り、何度も大人のクラスのハイスコアリング(ポイント総合1位)を取ってくれて、私に引退を思い留まらせました。特に3月末の大きなショーでは真剣に引退を考えていましたが、終わってみたら両日ともハイスコア、もしかしたらブリードウイナーに手が届くかも知れない!と思い、少しでも可能性があるならとシーズンの最後(4月末)までショーを走りきることを決めました。
アメリカではアリアンよりもずっとたくさんのショーに出ていたロシアンブルーの女の子がいて、最後のショーの前の週までは100ポイント差で、そのポイントに届くのかドキドキの連続でした。そして最後のショーで抜くことができ、2ヶ月ほど前まで思ってもみなかったブリードウイナーを獲得することができました。

ショーでのアリアンは、基本的にママっ子で、お姫様で、繊細で、自分だけを見て欲しくて、どんな時でもエレガントにポーズを決めるロシアンブルーらしい立ち振る舞いをしてくれました。キツンを卒業する頃にはご機嫌が悪くなり、グランドタイトルを取れるのかどうかと心配しましたが、その後マナーが良くなり全部で10ヶ月間ものショーイングに付き合ってくれました。10ヶ月を通じてずっと健康で体調を崩すこともありませんでした。アリアンとショーで過ごした時間は宝物です。アリアン、本当にありがとう。
アリアンのお姉ちゃん、ルーンをアメリカのアネットにお譲りした時はもうこんなに綺麗な子には巡り会えないかも知れないと思いましたが、お姉ちゃんに負けず劣らずの子がまた同じ組み合わせから生まれました。母猫メロディーのブリーダーのアネット、そしてこの血統に関わる全ての方々に感謝致します。