スイス(その2)

私が知っているヨーロッパのロシアンブルーのキャッテリーの多くは、猫のために庭を設けています。日本では野良猫が多く、感染症のことを考えると外部に接触を持てる庭に猫を出すのはとても危険で、訪れる前は疑問だらけでした。野良猫についてフランジスカに訪ねてみたところ、野良猫がほとんどいないこと、そして市街地でたまに外を歩いている猫には大抵飼い主がおりケアされていて、不健康な猫は見ないそうです。また、彼女のところでは生後6ヶ月以下の猫は庭に出さないとのことでした。猫が脱出できないように囲っている網の上部に低圧電気(もちろん猫に安全なもの)を流していてるので、念のため体が小さい子猫のうちは出さないのだと話していました。網の種類や構造によっては低圧電流は不必要ですが、その場合もやはりワクチンが完全に済み免疫ができるまでは危険だなと感じました。
いくら日本と状況が違うとはいえ庭に出すリスクは0ではありませんが、実際に猫達が庭で楽しそうに自由に駆け回る様子を見て、こちらではメリットの方が多いと実感しました。スイスは蚊もほとんどいませんでしたし、彼女の住んでいる場所は郊外です。日本では庭を外部と隔離しない限り無理ですが、こんな風に広い場所で遊ばせられたら猫達は楽しいだろうなぁと、少し羨ましくなりました。

このガーデンには猫と犬以外にあと二人の住人がいます。その二人用の遊び場の水を入れ替えた後にちゃっかり水を飲むロシアンの子。こんなプールを必要とする動物とは…

インディアンランニングダックです。この庭のお掃除を担当してくれています。庭にいる虫などを食べてくれるひょうきんな動きのアヒル達です。このアヒルは飛ばない種類なのだそうです。

そして肝心の、我が家からお譲りした猫について。
イーグレットとまーちゃんの息子のプジョー(CFA GC, RW Snow-Island Blue Lion)を託してきました。私が忙しかったこともあり、この子はうちで4歳近くになるまで子猫を見ることができませんでした。今年の春にユノとの子猫を見ることができ、同胎のスパちゃんもいるので引退させて自由な生活をさせてあげたいとも思ったのですが、フランジスカのところの女の子たちと組み合わせたらきっと素晴らしい子猫が生まれるだろうなとのお互いの思いから、お婿入りとなりました。
フランジスカのキャッテリーではひと部屋をプジョーのために用意してくれました。なんとパーテーションの下部が少し開いていて子猫たちだけが入れるような構造になっており、子猫たちと遊んだり、女の子たちと網越しに挨拶することができます。素敵な環境で大事にしてくれているフランジスカに感謝です。
プジョーやスパちゃんのように、アウトブリーディングで生まれた優秀な子は貴重です。近い将来可愛い子猫をたくさん見せてくれることを心待ちにしています。